2020年、新型コロナウィルス感染症により、新しい生活様式が発表される等、今までの生活が一変しました。その中でも世界も、日本も経済活動を止めることなく動き続け、経済活動継続のために、衛生管理、ソーシャルディスタンスの実施や非接触型サービスをはじめとする様々なテクノロジーが飛躍的に発展し、さらに新しい環境をより便利に、簡単に実現するためのデバイスや通信環境も整ってきました。
私たちエステティシャンがサービス提供していた当たり前の環境が変化していることに、どれだけの人が気付いているでしょうか。新型コロナウィルス感染症は、すごい速さで変化している世界技術を表に出す良いきっかけであったと考えます。まず昨年は今までの環境で成り立つ仕事と、不安定な経営が露旦した仕事がはっきり分かれました。つまり、今後のサロン運営にかかわる必要スキルはビジネス目線をしっかり持って、未来を予測して営業していくことであると言えます。
ではどのような未来が皆さんには見えていますか?今まで通りの世界観で、のほほんと仕事をしていては、この激動の時代を生き残ることはできません。TOYOTAが「自動車屋をやめます。」と言った2019年、当時衝撃的な発表だったにも関わらず、カーシェアリングが登場し、こういったサービス(システム)普及してきました。自動車を買わなくても、運転をしなくても好きなところへ行ける。という現実がやってきているということ。今開発されている自動運転とカーシェアリングが完全に出来上がることで、自動車は売れなくなります。しかし、大事なのは車を買う必はないが、車を使ったサービスは必要であるというとです。これらを理解してTOYOTAは「車を売るTOYOTA」から「車のサービスを提供するTOYOTA」へと変わろうとしているのです。
我々の業界においても必要な業態変化が求められています。商品や美容法を動画WEB配信した人もいたことでしょう。ECサイトを急造した人もいたでしょう。また、セミナーや勉強会も当然リモートで行う等様々な変化を求められ、と言うよりもせざるをえなかった人も少なくはないはずです。そんな急な変化を押し付けられながらも試行錯誤しながらサロンを成り立たせてきた2020年だったはずです。今後の社会において、少し目線を変化させ、今後私たちが意識しなければいけないことは「体験を軸にした考え方」。今まで多くの人やサロンは、サービスを、商品を「売る」ということを意識した営業をしていたのではないでしょうか。今後の社会ではこのような考え方では「負ける」と言われています。
「体験を軸にする」とは、お客様がサロンでの素晴らしい体験から「満足度」を得ることを重視することです。つまりサービスや商品を売ることだけに着目せずに、どのような体験をしてもらうか!を考えることで満足度を上げ、サロンへのロイヤリティを高めることです。これが先ほど説明したTOYOTAの変化と同様で、サービスや仕入れた商品を売るだけではなく「体験」を「継続」させるから、企業への信頼へとつなげる、それがこれからの社会において求められることになります。
私たちエステティシャンは、技術者であるがゆえに効果や成分、理論などに重きを置いて接客し、育成においても先に挙げたものを重点的に学ばせることが多くあります。お客様と接するために技術の習得や商品知識が大切であることは当然のことですが、結果的にお客様がサロンに来店した際にどのような「体験」を得ることが出来て、継続することで未来に「体験」できることも伝える力がなければ、効果効能、つまり結果だけの勝負になってしまいます。これによって同様、もしくは類似のサービスにダンピングで負けてしまい、失客や売り上げの低下につながってしまうことも起こりえることです。
お客様のサロンに対するロイヤリティが高まることで、初めて継続したサービス利用を見込めます。サブスクリプション、定期利用をしてもらうための信頼関係をしっかりと築けるように、今後の社会情勢を注視し、正しい判断をするための情報から未来を予測し、激動の一年をサロン運営の糧とできるよう私自身も学び続け、このような機会を通じて皆さんにもお伝えできればと考えております。