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自分勝手な接客 〜 接客業における大いなる勘違い 〜

2023.06.12

 エステティックの現場、お客様とのかかわりにおいて大切にされる接客術。私が自身の経営経験も踏まえてエステティシャンを見たときに、多くの人が勘違いをしていることについてお話します。

 

 「接客において大切なものは?」という問いに対して、皆さんはどのように回答しますか。「おもてなしの心」「お客様によりそう」「丁寧な言葉使い」「きれいな施術室」「技術、理論」様々でしょう。少なくとも今あげたものはすべて大切なことでありながら、すべてが自分勝手な想いの押し売りでしかありません。いわば上から目線の自分本位な接客です。

 

 「なぜ?」

 

 接客を行う上で先ほど挙げた回答例はすべて大切なことです、これは間違いありません。しかし接客を行う上で最も大切か?と考えたときに、先ほどの例はすべてが2番目以降のことでしかないのです。

 

 大切なこととはなんでしょう?一つ一つ考えてみましょう。「おもてなしの心」は、言語化、定数化できることでしょうか。Aさんの思う、おもてなしの心は丁寧な言葉遣いで、きれいな所作でお客様と接すること、しかしBさんの思う、おもてなしの心はフランクな話し方と、素早く行動し、無駄なくお客様と接すること、もし、この二人が同じ現場にいたらどうでしょう。基準を設定できず、目に見えないものを大切にしても、一人で運営しているサロンであれば間違いなくお客様にそれは伝わると思いますが、二人以上のサロンでは基準を説明できないものは伝言ゲームになってしまい、人数が増えるごとにその思い、心は薄れていきます。こういった思想を大切に思っている場合、成功できるのは個人店までです。二人以上、ましては自身がプレイングマネージャーとして現場にいない場合、想いはどんどん薄くなり、お客様に伝わるころには何も残っていないことの方が多くなります。そして、先ほどの回答例「お客様によりそう」「丁寧な言葉使い」「きれいな施術室」「技術、理論」について、とても極端なお話をします。そしてそれこそが接客において何をおいてもやらなければいけない事です。

 

 「本当にお客様はそうして欲しいと言った?」

 

 本当に極端な話になってしまいますが、よりそってほしいと、丁寧な言葉使いをしてほしいと、きれいな施術室じゃなきゃダメだと、技術、理論の話がききたいと、言っていましたか??きっとそうに違いない、と思って行動、発言することは、お客様にとってみたら、勝手な価値観の押し付けでしかなく、どんなに素晴らしいサービスを行っていても、価値観を押し付けられることを好む人はいません。つまり、接客において一番大切にしなければいけない事は。

 

 「相手が何をしてほしいか?」

 

 

を聞き出すことです。ここではエステティックサロンのお話をしていますが、サービス業において多くの人が勘違いしています。おいしいものを食べに行って、知らない国の知らない食材の説明を詳しくされるより、自分が食べ終わった段階で、お皿を下げて、新しい料理を提供してくれることの方がうれしいでしょうし、縁も所縁もないデザイナーがいかに素晴らしいかの話をされるより、自分がこの服を着て出かけたときに周りの人がどう思うかを教えてもらった方がうれしいでしょう、まして自分の技術がいかに素晴らしく、自分がいかに体に詳しく、筋肉の名前をどれだけ知っているか自慢をされるより、この技術をうけることで、自分の生活がどれだけ素晴らしいものになるのかを教えてもらえたらとてもうれしく思います。違いはどこにあるのか?うれしくない事すべてが、接客を提供する側の伝えたい情報であり、思いの強さが一生懸命に伝えたい!知ってもらいたいという行動になり、結果的に聞かれてもいないことを永遠と話をしてしまうという愚行に繋がります。

 

 お客様に一番にしなければいけない事は「聞くこと」です。どのような生活をおくっているのか、何が好きで、何が嫌いか、お休みの日は何をしているのか、どんな人にあこがれるのか、どんな悩みをもっていて、何にはまっているのか等、お客様すべてを知った時に初めて本当にその人にお勧めしたいサービスを選べるのです。

 

 サービスの詳細や使用しているもの、技術が何に効果的で、どういったことをやった方がいいか、という話は、裏を返せば「当然お客様は知らないと思いますけど!こんなにすごいものがあります!」と言っているようなものです。お客様にしっかり寄り添うためにはニーズを聞いて、ニーズにこたえるサービスを提供し、どうして?と聞かれたときに初めて「詳しい情報」を伝えてください。

 

 価値は満足度との等価交換です。サービスを説明することで満足度は上がりません。ぜひサービスを提供する相手のことをもっと知って、深く関わることで相手の本当のニーズを理解できる人材になってください。素晴らしい接客を提供する人はみな話上手ではなく、聞き上手な人です。「傾聴力」こそが接客において最も重要なスキルであり、伸ばさなければいけない力だということを理解してください。

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